2024年度 医療法人社団清和会 笠岡第一病院 病院指標

■全項目共通の集計条件■


【対象期間】2024年6月1日 ~ 2025年5月31日
【集計対象】対象期間中に当院を退院した患者で一般病棟に1回以上入院した患者さん



【集計対象外としたもの】
【その他】
※ 各項目個別の集計条件は【定義】として記載する。

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 218 43 18 20 59 145 257 524 599 335
【定義】 【解説】
  当院では0才台と60~90才台の2つのピークがあります。地域の小児科入院診療を受け持ちつつ、超高齢地域を反映した入院患者の年齢構成となっています。54床ある地域包括ケア病床の運用と関連施設ならびに地域の施設との連携で、在宅も含めて切れ目のない医療を行っています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
【定義】
※DPCコードは傷病名と治療方法の組み合わせにより決定されるため、同じ傷病名であっても治療方法が異なればDPCコードも異なります。


◆診断群分類(DPC)とは◆
入院期間中に最も医療資源を投入した傷病名を1つ選び、WHO(世界保健機関)が定めた国際疾病分類(ICD10コード)に基づき、まず18の主要診断群(MDC)に分類します。 更に入院中に行った手術・処置等、定義副傷病の有無によって細分化し14桁の診断群分類(DPC)コードに分類することを言います。


◆患者用パス(クリニカルパス)とは◆
入院中の検査や治療の予定、また食事などの生活の流れを分かり易くした標準化されたスケジュールのことです。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 あり 64 1.09 2.10 0.00 5.77
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 39 4.26 6.22 2.56 2.18
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 27 4.41 5.61 3.70 3.30
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病 なし 22 3.18 8.02 0.00 3.00
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2 なし 19 4.53 6.98 5.26 1.74
【解説】
  当科は岡山県西部地域における小児医療において中心的な入院施設として機能しています。笠岡市・里庄町・浅口市・井原市など近隣からの紹介、救急搬送からの入院を含め、小児入院患者数は238名でした。食物アレルギーの負荷試験の入院患者数は横ばいですが、急性感染症の患者数は2023年に比べやや減少しています。外来患者数は大きく変化していないため、重症化する流行疾患が少なかったと考えます。上位5番目以内のDPC分類の平均年齢は、食物アレルギーをのぞき、平均年齢は4歳未満でした。平均在院日数はいずれも全国平均より低く、軽症から中等症の入院が多いものの、効果的で適切な治療が実施されているものと思われます。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 45 27.67 16.40 6.67 84.40
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 29 2.00 2.02 0.00 61.03
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 28 32.11 20.78 0.00 88.39
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 13.41 - -
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 12.95 - -
【解説】
  当科は高齢者の肺炎や誤嚥性肺炎の症例が多い傾向にあります。平均年齢は80歳を超えており、全身状態が不良であったり、肺炎を繰り返す症例もあるため、入院期間が長い傾向にあります。肺癌患者は主に他院での治療後や治療不可能症例が多く、緩和ケアを中心におこなっています。睡眠時無呼吸症候群の診断のため、1泊2日の入院でポリソムノグラフィーを実施しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070160xx01xxxx 上肢末梢神経麻痺 手根管開放手術等 128 1.09 4.24 0.00 69.83
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 55 41.56 25.29 20.00 84.73
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 16 52.63 19.16 12.50 82.19
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 手術あり 手術・処置等1 なし 12 3.92 4.65 0.00 68.70
070200xxxxxxxx 手関節症(変形性を含む。) 10 8.80 6.72 0.00 68.70
【解説】
  2024年度の整形外科入院患者数はほぼ例年と変わらず496名で16.1%を占めています。総手術件数は1,190件(内、上肢手術 1096件、下肢手術 94件)でした。当院では手外科・上肢外科手術を数多く行っており、特にばね指・手根管症候群に対する低侵襲手術が793件とその7割以上を占めています。井笠・備後地区だけでなく、岡山市・倉敷市を中心とした近隣医療機関、さらに県外からの紹介も多数頂いております。また、超高齢地域を反映して、75才以上の脊椎椎体骨折・大腿骨近位端骨折の入院も続いています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 72 2.04 2.57 0.00 68.68
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア 15歳以上 鼠径ヘルニア手術等 22 6.41 4.54 0.00 70.41
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 13 8.00 5.99 0.00 65.92
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 12 22.00 14.81 0.00 73.25
060035xx99x0xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 11 21.36 7.91 0.00 81.18
【解説】
  内視鏡的大腸ポリープ切除術は1泊2日の入院にて行っています。鼠径ヘルニア手術は手術前日に入院していただいており、平均在院日数は約6日となっていますが、患者様の希望によって、より早期の退院も可能です。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2 なし 78 1.28 3.82 0.00 73.86
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 32 20.22 17.33 9.38 85.38
050130xx9900x1 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院 10 25.90 20.85 10.00 86.10
100380xxxxxxxx 体液量減少症 - - 10.26 - -
050070xx99000x 頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 5.64 - -
【解説】
  当科では心エコー、CT、MRI、血管造影装置などの医療機器を駆使し、適切な医療を行っています。心不全や狭心症などの循環器疾患だけではなく、それらの原因となる脂質異常症、糖尿病、内分泌疾患などに対して院内で連携し治療を行っています。また、これらの生活習慣病に対しての予防として肥満防止、塩分制限などの啓蒙活動を行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 58 3.02 2.45 0.00 74.50
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 29 5.03 6.81 0.00 76.34
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし 26 4.88 5.16 0.00 64.46
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 21 15.19 13.66 0.00 88.48
110310xx01xxxx 腎臓又は尿路の感染症 経尿道的尿管ステント留置術 13 15.92 13.58 7.69 86.31
【解説】
  1位は前立腺悪性腫瘍で、前立腺がんは本邦でのがん罹患率1位(男)となり、早期発見の重要性が指摘されています。当院では高齢者を中心に前立腺がん特異抗原(PSA)とMRIのスクリーニング検査を、前立腺がんが疑わしい症例には痛みの無い麻酔下前立腺針生検を施行しております。2位は膀胱腫瘍です。その多くは表在性癌(早期)で、経尿道的腫瘍切除によって治癒が期待できます。ただし表在癌の約40-50%はその後に膀胱内の異なった場所(異所性)に再発することが多く、術後の膀胱鏡による経過観察や再発予防(BCG膀胱腔内注入療法など)の細かな処置が必要です。3位は上部尿路結石で尿路結石ガイドラインに順じ、治療を行っています。4位の尿路感染症は高齢者の発熱を主訴とした急性腎盂腎炎が多く、多くは点滴、抗生剤投与で軽快する疾患です。しかし、尿路結石などによる尿路通過障害を来すと重篤化し、手術などの緊急処置(5位)が必要なこともあります。
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 16 11.19 17.33 12.50 83.56
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 15 25.33 11.35 20.00 78.73
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 10 36.80 20.78 30.00 87.80
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし - - 16.94 - -
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 13.07 - -
【解説】
  内科では糖尿病、血液透析患者、腎疾患、内分泌疾患及び一般内科的な診療を担当しています。当院は附属のタカヤクリニックと合せて約250名の血液透析患者を治療しており、毎年20名程度の新規導入があります。保存期腎不全の患者や透析患者の合併症による入院に多く対応しています。糖尿病患者には外来での血糖コントロール、合併症のチェック、食事・運動療法のみならず、コントロール悪化の際の教育入院、インスリン療法のための入院治療も行っています。また著明な血糖異常による緊急対応が必要な場合にも、適切な診療と入院治療を提供しています。他科入院における血糖コントロールの依頼も多く、外科系との併診も増えてきています。腎不全患者、糖尿病患者共に高齢化しており、心不全、肺炎などの重篤な合併症による入院症例が増えています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 79 1.99 4.29 0.00 76.27
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 18 2.00 2.49 0.00 75.56
【解説】
  当院における眼科手術の対象患者様は糖尿病、高血圧、心臓疾患、腎疾患など全身疾患を有していることが多い為、内科との連携を図り安全な手術を心掛けています。
血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤血管内焼灼術等 54 1.91 2.66 0.00 69.13
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 14 2.64 5.15 0.00 82.93
050170xx03001x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり 10 2.00 9.29 0.00 84.40
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 7.38 - -
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2 なし - - 7.38 - -
【解説】
  血管外科で診療対象としている疾患は、1)下肢閉塞性動脈硬化症、2)下肢静脈瘤、3)内シャント造設術が必要な末期腎不全です。1)は高齢患者に多く、重症になると下肢が壊疽に陥り歩行不能となりますが、カテーテル治療(いわゆる低侵襲治療)により高齢患者さんでも安全に手術が行えることが多くなり、生活の質の維持に役立っています。2)では美容面での醜形、うっ滞性皮膚炎および下肢のだるさなどを伴いますが、血管内レーザー焼灼術の導入により、低侵襲かつ傷のない治療が可能になりました。3)では自家静脈をできるだけ使い、感染や閉塞の多い人工血管の使用を回避しています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 11 21.36 20.78 9.09 86.09
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.66 - -
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし - - 20.06 - -
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 9.08 - -
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし - - 9.83 - -
【解説】
  当科では誤嚥性肺炎や尿路感染といった細菌感染症や、そこから重症化した敗血症(感染巣から侵入した細菌が全身の臓器に障害を及ぼしている状態)での入院が上位を占めています。特に高齢者や持病のある方は重症化しやすいため、発熱が出て普段より食欲がないなど、「いつもと違う」と感じた際には早めに病院受診をお願いします。
  第5位の「体液・電解質・酸塩基平衡障害」は主に熱中症や脱水症です。こちらに関しても適切な体温管理や、体調管理で重症化を防ぎ入院を予防する事ができます。平均の入院年齢は80歳前後と高齢となっています。高齢になるにつれて体調の変化に気付きにくくなります。本人はもちろん、周りで関わってくださる方々も「普段より調子が悪い」「食事が取れていない」などの状態があれば早めに医療機関に受診や相談をしてください。早期の介入で重症化を防ぐことができ、入院期間の短縮や入院の回避が可能な場合もあります。入院自体がADLや認知機能低下の一因になることも知られています。できるだけ長く元気に皆様らしい生活が送れるようにサポートしていけたらと思いますので、いつでもお気軽にご相談ください。
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 11 27.45 20.78 27.27 85.18
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし - - 16.40 - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.66 - -
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 9.08 - -
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし - - 20.06 - -
【解説】
  笠岡地区では高齢化が進んでおり、感染症、体動困難での入院が増加している傾向にあります。当科では多岐にわたる疾患が多い傾向にあります。患者様と向き合い、今後も包括的に治療して参ります。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - 12 1 8
大腸癌 - - - - 20 1 8
乳癌 - 1 8
肺癌 - - - - 11 1 8
肝癌 - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
【解説】
  肺癌、胃癌、大腸癌に対しては、胸腔鏡下・腹腔鏡下手術を中心に手術を行っています。また5大癌や胆膵癌、泌尿器癌に対しては、がん薬物療法、緩和ケアに関しても、多職種によるチーム医療に取り組んでいます。集学的治療を含め、基幹病院と連携して診療を行います。


◆病期(Stage)分類とは◆
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 57 19.18 80.42
重症 17 36.00 87.47
超重症 - - -
不明
【定義】
【解説】
  症例数では中等症の患者の割合が多く、重症度が重症になるほど平均在院日数は長くなり、平均年齢も高くなる傾向にあります。


 
◆A-DROPスコアとは◆
日本呼吸器学会の「成人市中肺炎診療ガイドライン」に掲載されている市中肺炎(院内感染でなく院外で発症した肺炎)の重症度分類です。 下記5つの各項目の頭文字から付けられた名称で、市中肺炎の治療方針の決定をする際に用いられます。 各項目で重症度を分類した後、それぞれの重症度に応じた治療を選択します。
5点満点で1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点とし下の表で重症度を分類する。
※一般的にショックがある場合は1項目のみの場合でも超重症に分類するというルールがあるがDPCでは適用されない。


スコア 各項目の該当数 重症度 治療方針
重症度0 上記のいずれにも該当しない場合 軽症 外来での治療が適応となる
重症度1 上記項目の内1つに該当する場合 中等度 外来または入院での治療が適応となる
重症度2 上記項目の内2つに該当する場合
重症度3 上記項目の内3つに該当する場合 重症 入院での治療が適応となる
重症度4 上記項目の内4つに該当する場合 超重症 ICU(集中治療室)での治療が適応となる
重症度5 上記項目全てに該当する場合
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 14 27.93 83.79 17.24
その他 15 41.73 83.07 13.79
【定義】

【解説】
  本年度は、29例の脳梗塞患者が入院されました。外来の段階で発症4.5時間以内に治療の開始が可能と判断された症例は、三次医療機関・脳卒中科などに紹介しており、減少傾向にあります。入院患者の平均年齢の高齢化に伴い、在院日数もやや延長しています。入院までの日にちが長くなると、在院日数も増え、脳卒中発症後の早期治療の重要性を裏付ける結果と考えられます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
【定義】
※医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計しているため、手術を実施した診療科と一致するとは限りません。


◆Kコードとは◆
医科点数表に定められた手術術式のコードを指します。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K093-2 関節鏡下手根管開放手術 124 0.00 0.02 0.00 70.11
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 48 2.83 38.06 14.58 81.42
K0811 人工骨頭挿入術(股) 17 2.12 30.94 23.53 84.29
K0302 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(手) 等 11 1.00 1.73 0.00 60.73
K0484 骨内異物(挿入物を含む)除去術(鎖骨) 等 10 1.00 1.20 0.00 49.90
【解説】
  2024年度は総手術件数1,190件(内、上肢手術 1,096件、下肢手術 94件)施行しました。当院では手外科・上肢外科手術を数多く行っております。特に日帰り手術や外来手術として行うばね指や手根管症候群に対する低侵襲手術が大きな割合(72%)を占めています。岡山・倉敷地区を中心とした近隣医療機関、さらには県内外に及ぶ遠方からの紹介も多数頂いております。下肢では超高齢地域を反映して大腿骨近位端骨折が多くなっています。2023年4月からは緊急整復固定加算及び緊急挿入加算を請求しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 72 0.04 1.00 0.00 68.68
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 24 5.25 8.54 0.00 64.88
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 15 1.00 3.80 0.00 65.73
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 14 1.43 18.07 0.00 74.21
K6335 鼠径ヘルニア手術 - - - - -
【解説】
  内視鏡的大腸ポリープ切除が最多となっています。腹腔鏡下胆嚢摘出術については緊急手術も含まれているため平均術後日数がやや長くなっています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 95 0.00 0.99 0.00 76.32
K279 硝子体切除術 2 0.00 1.00 0.00 67.50
【解説】
  当科の手術日は金曜日午後です。白内障手術については1泊入院または日帰りで行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 28 1.29 2.89 3.57 64.89
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 27 1.04 3.07 0.00 77.26
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 14 0.29 16.00 7.14 85.07
K7983 膀胱結石摘出術(レーザーによるもの) 10 0.29 16.00 7.14 85.07
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) - - - - -
【解説】
  1位はTUL(経尿道的結石破砕術)ですがESWL(体外衝撃波結石破砕術)と比較して確実性が高く有用な術式です。2位は初発あるいは再発性の膀胱悪性腫瘍手術です。膀胱鏡による手術ですが癌の浸潤度(深さ)を明確にすることが肝要で、症例によってはTURBO(経尿道的腫瘍一塊切除術)、あるいはTUR-Bt(経尿道的膀胱腫瘍切除術)を行っています。3位のステント留置は尿路結石、尿路癌あるいは他科の悪性腫瘍による尿路閉塞に対し行います。重症患者の緊急処置の場合も多く、処置後は専門科へ転科/転院して頂きます。4位は膀胱結石で経尿道的処置で切らずに治す治療です。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 73 0.00 0.88 0.00 73.38
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内に実施) - - - - -
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) - - - - -
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) - - - - -
K0503 腐骨摘出術(足その他) - - - - -
【解説】
  当科では冠動脈やシャント血管に対してカテーテル治療やステント留置術を行っております。徐脈性不整脈に対してペースメーカー留置も行っています。また、開心術や大血管の手術、不整脈の手術等は、連携病院と相談しながら患者さんへ適切な医療を提供しています。
血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 54 0.00 0.91 0.00 69.13
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 25 0.00 1.40 0.00 82.48
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) - - - - -
K6105 動脈形成術、吻合術(その他の動脈) - - - - -
K6093 動脈血栓内膜摘出術(その他) - - - - -
【解説】
  血管外科で診療対象としている疾患は、1)下肢閉塞性動脈硬化症、2)下肢静脈瘤、3)内シャント造設術が必要な末期腎不全です。1)は高齢患者に多く、重症になると下肢が壊疽に陥り歩行不能となりますが、カテーテル治療(いわゆる低侵襲治療)により高齢患者さんでも安全に手術が行えることが多くなり、生活の質の維持に役立っています。2)では美容面での醜形、うっ滞性皮膚炎および下肢のだるさなどを伴いますが、血管内レーザー焼灼術の導入により、低侵襲かつ傷のない治療が可能になりました。3)では自家静脈をできるだけ使い、感染や閉塞の多い人工血管の使用を回避しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 19 0.86
異なる 10 0.45
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる
【定義】



【解説】
  敗血症は基礎疾患(肺炎、尿路感染症、褥瘡、心臓弁膜症など)に生じた感染病巣から病原体(細菌)が血管内に侵入し全身に波及する重篤な疾患で、早期発見、早期治療が重要です。敗血症ガイドラインに基づいて治療を開始しますが、手遅れになると急性腎不全、播種性血管内凝固症候群となり、さらに多臓器不全を併発します。まず基礎疾患のコントロールが優先され、全身管理を行った上での治療が必要です。本年度は重症の救急搬送患者が増加し、高齢で合併症のある重症の患者様が多く、敗血症、播種性血管内凝固症候群のいずれも多くなっています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
192 181 94.27
【解説】
  適切な評価・予防対策を取っており、今後も継続して取り組んで参ります。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
467 358 76.66
【解説】
  敗血症や重症感染症など、血液培養を必要とする患者には原則2セットの採取を行っています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
138 129 93.48
【解説】
  対象となる抗菌剤類を使用する場合、抗菌剤登録使用義務制度を用いており、漫然とした投与は行っておりません。投与前には各種培養検査を行い、その感受性を確認することとしています。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
29988 53 1.77‰
【解説】
  入院中に変化する患者様の状態について、看護師だけでなく医師やリハビリスタッフ等と情報共有しています。適宜カンファレンスを開いて、予測的な転倒予防策を講じるように努めています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
29988 14 0.47‰
【解説】
  自分で歩いて外来に来られる方でも転棟し受傷されることもあります。環境整備を心掛けています。付き添いのご家族の方の協力もお願いします。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
257 256 99.61%
【解説】
  手術開始時に十分な抗菌効果濃度となる様に投与実施を行っています。抗菌薬にアレルギーがある場合は、適切な代替薬を選択して実施しています。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
28297 11 0.04%
【解説】
  褥瘡発生のリスク評価を行い、予防のための全身管理(スキンケア、体位変換、ポジショニング、体圧分散マットレスの整備、栄養管理等)を実施しています。また、褥瘡保有者に対しては、他職種で構成された褥瘡対策チームにより包括的に管理を行い、早期治癒に向けて取り組んでいます。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
1531 1443 94.25%
【解説】
  入院後早期に栄養アセスメントを実施し、必要に応じて他職種による栄養介入を行い、栄養状態の改善に努めています。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
29988 2115 7.05%
【解説】
  多職種で構成する身体的拘束最小化委員会を設置し、継続的に身体的拘束の最小化に取り組んでいる。当院は急性期病院であり、治療上やむを得ず身体的拘束を実施することがある。身体的拘束の実施は医師の指示および患者、その家族の同意のもと、切迫性・非代償性・一時性の3要件について検討し、解除に向けたカンファレンスを毎日実施している。
更新履歴
2025.9.29
2025.9.30
2024年度の病院指標を掲載しました。
集計期間に誤りがあったため、修正しました。