総合診療科

診療内容

写真: 診療内容のイメージ
写真: 診療内容のイメージ

総合診療科は、患者さんの困った症状に対して真摯に向き合い、相談に乗り、原因を検討していきます。その原因が身体的なものなのか、精神的なものなのか、または社会的な問題(生活や家庭環境の問題)があって症状が出現しているのかを検討していきます。原因にもよりますが、当科で治療ができるものは当科で治療を完遂し、専門的な治療が必要な場合は専門医に適切に紹介していきます。

基本的に患者さんのお断りはしません。年齢、性別、症状問わず、お困りの方がいれば相談にのります。貴方が困っていることが、我々の解決しなければいけない問題です。外来開設日であればいつでも受診して下さい。

多疾患併存:マルチモビディティー

1人の患者さんが複数の疾患を併存している状態のことを指します。たとえば、高血圧症、糖尿病、変形性膝関節症、肺気腫など複数の病気が同時に存在する場合を指します。この状態は、高齢者や慢性疾患を持つ人々に多く、見られます。

多疾患併存は、医療提供者にとって診断や治療の難易度を高める要因となり、患者さんの生活の質に大きな影響を与えることがあります。多疾患併存の患者さんは、一般的に単一の疾患を持つ患者さんに比べて予後が悪くなる傾向にあります。また緊急入院が増え、医療費が増加する傾向にあります。そのため患者さん個々のニーズに応じたケアが重要になります。

多疾患併存の患者さんが当科へ受診された際は、我々からかかりつけ医の先生方に情報を頂き、疾患を全て把握した上で、患者さんや家族とケアの方法について考えていきます。

ポリファーマシー:複数の薬剤を同時に服用している状態

ポリファーマシーとは明確な基準はありませんが、5種類以上の薬剤を同時に服用している状態を指します。

高齢者が6剤以上の薬剤を薬を内服している場合、薬の相互作用により有害事象が増えると言われており注意が必要になります。また患者さんが適切に服用することが困難になってきます。複数の医療機関を受診していると、薬物相互作用が分かりにくくなったり、症状が発見しにくくなります。

複数のお薬を内服している患者さんが、何らかの症状が出現した場合、全てのかかりつけ医の先生方から情報を頂き、内服している薬の副作用や相互作用を考えていきます。

他の病気と間違われやすい「鉄不足」

1992年国際栄養学会で鉄欠乏症の指摘がされ、2002年WHOで鉄欠乏対策が開始されました。女性の必要鉄摂取量は1日12mgですが、2001年以降我が国の女性の鉄摂取量は1日7.5mgから上昇していません。このため月経のある女性の2人に1人以上が鉄不足に陥っています。

鉄不足が起こると以下のような症状が出現します。朝起きれない、疲れ、集中力の低下、頭痛、関節痛、浮腫、動悸、息切れ、めまい、手足の冷感、足のむずむず感、睡眠障害、月経前症候群の悪化、月経前高温期の体温の上昇。またこれらの症状から間違われやすい疾患として、甲状腺機能低下症、うつ病、片頭痛、めまい症、起立性低血圧症などが挙げられています。一般的に貧血があれば鉄不足がありますが、「貧血のない鉄欠乏症:Iron deficiency without anemia」も同様の症状が出現すると言われており、ヘモグロビンだけでなく、フェリチンと鉄飽和度を測定し、早期発見が重要視されています。

また鉄不足の母親から生まれたお子さんが1-2歳で鉄不足にならないよう、WHOは補完食を進めています。鉄不足が子供に与える影響が多彩であることから、こちらも早期介入が必要です。男性も油断できません。現代ではアスリートの多くが活発なランニングやスポーツにより少しずつ赤血球が破壊され鉄欠乏や貧血に陥り、上記のような症状で困っています。血便が出やすい炎症性腸疾患の患者さんも注意が必要です。

このように、様々な年齢で、様々な不調を訴え、診断に難渋している可能性があるため、上記のような症状で困っている方がいれば、一度受診に来て下さい。



外来診療担当表

午前

受付 診療科
9:00

12:00
総合診療科 吉永 孝優 國永 直樹 吉永 孝優
(第1.3)

午後 ※土曜休診

受付 診療科
2:00

5:00
総合診療科 吉永 孝優

診療スタッフ


吉永 孝優Takahiro Yoshinaga

経歴

R4年卒

資格・専門医等